●手漉き和紙の壁・天井
手漉きの和紙で壁・天井すべてを貼っていただきました。
和紙を壁や天井に貼るには、ビニールの壁紙を貼るように壁の下地に直に糊で貼り付けるのではなく、和紙の周りにだけ糊を付け、少しづつ重ねて貼る「袋貼り」をします。その上に表面にする和紙に全面に糊を付け「袋貼り」の上に貼り付けます。
「袋貼り」の紙は表面に貼った紙の裏打ちをしたのと同じく表面の紙を丈夫にするだけでなく、壁の下地と紙の間に「空気」の層ができているため、直に貼ったものと異なり風合がやわらかく仕上がります。
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たぶん50年以上経った「からかみ」ですが、保存させている状態がよかったのかほとんど破れもありません。
ベースに使われているのが、本銀の平押といわれる紙に、雲母の置上げといわれる手法でからかみの「五七桐」の柄が摺られています。
年月によって、本銀がまさに燻し銀といわれる色合いに変化し、雲母摺の柄はほとんど変化していない色で、多分作られたときより柄がはっきりとしてきています。
50年の年月でこれだけ変化することをわかっていて、本銀の平押の紙と雲母摺の「からかみ」柄の組み合わせを製作された表具師さんのセンスに感激しました。
また引手も赤銅色の木瓜型の座の厚みもずいぶん厚いものが使われていました。現在ではほとんど縦長に使われる形の引手ですが、この引手は横に使用するように作られていました。